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人気のある職場から採用されるための履歴書の書き方

介護職としてあなたが興味を持った転職先の介護事業所に面接を受けようとする場合、必ず提出しなければいけない書類の1つに履歴書があります。人生の中で履歴書を書く機会は左程多くありません。そのため、履歴書を書く上でどのようなことに注意すればよいのかよくわからないという人も多いのではないでしょうか。

履歴書には適切な書き方があります。社会人として一般常識を踏まえた履歴書を作らなければいけませんし、適切な志望動機・自己PRに仕上げなければいけません。

介護業界は人材不足ということもあって、転職のときに比較的受かりやすい職種だといわれますが、履歴書は常識を踏まえたものにしたいです。また、大手の企業や競争率の高い求人へ応募するのであれば、必ずしも転職や就職で上手くいくとは限りません。そのため、志望理由をしっかりしたものに仕上げる必要があります。

そこで、志望動機・自己PRの例文を含めつつ、介護職が転職・就職するときにどのように履歴書を作ればいいのかについて、その書き方を解説していきます。

常識のある履歴書にするのは当たり前
北九州市では医療福祉に関係する新規求人が毎月約1000件以上出されています。また、平成30年度の福祉関連職業の求人倍率は2.4倍です。(平成31年4月 北九州市産業経済局雇用政策課報告書より)

このようなことからも、転職や就職するときに介護業界は内定をもらいやすい職種といえます。しかし、そうした求人であっても履歴書の段階で落とされることがあります。なぜ不採用になるのかというと、それは「社会人としての常識がない」と履歴書から判断されるためです。

当然、常識のない履歴書を送ってしまった場合は応募者数の多い介護事業所であれば履歴書の提出段階で不採用になることもあります。また、比較的面接に通りやすい事業所であっても、不採用になる確率が高くなります。

採用担当者が履歴書をみて「常識のある人だな」と思うような履歴書を制作すれば良いのですが常識のある履歴書がどのようなものなのかを知っていないと作ることはできません。

提出される履歴書の中には、顔写真がスナップ写真を切り取ったものであったり、書き間違いが多く修正液が使われていたりと常識に欠ける履歴書があります。そのため、まずは当たり前のことを行えるようにしなければいけません。

では、履歴書を作成する上で注意するべきこととはどのようなものがあるのでしょうか。

・丁寧な字で書き、修正液などは使用しない
履歴書を作成する上で忘れてはいけないことは「人に見てもらうものである」ということです。送られてきた履歴書の文字がきたなければ、それだけで読む気が失せてしまいます。履歴書はあなたを写す鏡です。きれいな字で書きましょう。

もちろん、中にはもともと字をきれいに書けない人がいると思います。その場合であっても相手には、たとえ字を書くのが上手くなかったとしても「乱雑に書いた字」と「丁寧に書いた字」はわかります。丁寧な字で履歴書を書きましょう。

パソコンなどで作成した履歴書をプリンターで印刷して持参してもいいですが、丁寧な字で書かれた手書きの履歴書の方が相手に対して好印象を与えます。

また、きれいな字で書かれた履歴書であっても修正液で書き直された箇所は目立ってしまいます。もし、文字を間違えたらもう一度書き直しましょう。大事な書類に修正液を使用するのは、社会人としてマナー違反です。

・A4又はB5サイズの封筒に入れる
履歴書はB5サイズもしくはA4サイズのものがほとんどです。履歴書を郵送する際に、紙を折りたたんで細い封筒に入れてはいけません。

切手代や封筒代は少し高くなりますが、A4またはB5サイズの封筒に入れるようにしましょう。大事な書類だからこそ折り曲げずに提出する、これも社会人としての常識です。

履歴書はコンビニやスーパーなどで売られています。150円程で購入できますが、このときは以下の2つの封筒が同封されていることが多いです。

このうち、大きい封筒を必ず活用しましょう。もちろん、家にあるA4サイズの茶封筒を利用しても問題ありません。ただし、封筒自体がヨレヨレになっていたり角が曲がったりしていないか確認することが必要です。

また、雨などに濡れてしまったときのことを想定して履歴書をクリアファイルに入れて封筒にいれるとよりちゃんと考えている印象を与えます。

なお、求人先によっては面接の場に直接履歴書をもってくるようにいわれることもあります。この場合に限って封筒は用意しなくても問題ありません。

基本情報や職歴での注意点
最初に記載するべき部分として、あなたの基本情報や職歴があります。これらはもれなく記載しなければいけません。このときの見本としては、以下のようになります。

気をつけるべき注意点は以下のようになります。

・見る人が読みやすいレイアウトにする
前述にもありましたが、履歴書は人に見てもらうという意識をもって書くことが大切です。そのため、職歴を記入する際にも行の頭にくる字を揃えるなどして見る人が読みやすいものにしましょう。

その他にも、学校名や会社名のうしろに「卒業」や「入社」「退社」と記入するときは一文字分の空白をおいて記すとより読みやすくなります。

細かいところではありますが、履歴書をひらいた時に行が揃っていなかったり適度な感覚が空いていなかったりするものよりも読み手を気遣うようなレイアウトになっていることで印象もかわってきます。

・履歴書の写真をきちんと履歴書用に撮影する
履歴書を作成するにあたって、写真が貼られていない履歴書は論外です。また、前述の通りスナップ写真を切り取ったような写真を貼るのもやめましょう。適切な写真を履歴書に貼らなければ、求人先の会社に悪い印象しか与えません。

また、履歴書から剥がれ落ちないようにきちんと貼り付いているかどうかも確認しましょう。

・職歴には正式名称の会社を書く
デイサービスや老人ホームで勤めていた人で特に多いのですが、職歴の欄に「○○デイサービス」や「特別養護老人ホーム○○○苑」とまでしか書かれていないものがあります。これは正式名称ではないため、「株式会社□□□□ ○○デイサービス」「社会福祉法人△△ 特別養護老人ホーム○○○苑」などのように正確な会社名を記載する必要があります。

会社名から記載すると長くなってしまうこともありますが、省略せずに正式名称で書きましょう。

なお、学歴を記入する際にも同じことがいえます。一般的に履歴書の学歴は高校から記します。このとき、「○○高校」ではなく、「○○県立○○高等学校」というように正式名称を記載するのが常識です。

資格や志望動機、本人希望欄の注意点
履歴書の左半分は、基本情報や学歴・職歴などを思い起こしながらまとめていくことで苦労なく記入することができると思います。

しかし、右半分の「免許・資格」「志望動機や特技、好きな学科、アピールポイント」「本人希望欄」については迷う人も多いのではないでしょか。では、どのように記入すればよいのでしょうか。履歴書の見本は以下のようになります、これをもとに解説していきます。

・免許・資格は民間資格なども含めて記載する
履歴書には、免許や資格を記入する欄が必ずあります。ここには、普通自動車免許や介護関係の資格を記載しましょう。

では、介護の資格とはどのようなものがあるのでしょうか。

介護の資格は、介護保険制度がはじまってから名称が少しずつ変化してきているものもあります。たとえば、介護経験のない人が一番気軽にとりやすいとされていた「訪問介護員2級養成研修(ヘルパー2級)」という資格は、名称や研修内容が改められて現在は「介護職員初任者研修」となっています。

このように名称が改められた資格を履歴書に記載する場合は、自分が持っている研修修了書や資格書にかかれている名称に合わせて記載するとよいです。

そして、介護の資格の中でも唯一国家資格である「介護福祉士」や民間資格ではありますが介護業界には欠かせない「介護支援専門員(ケアマネジャー)」を取得している人は必ず記載しましょう。

なぜなら、これらの資格を保有しているかどうかで給与の「資格手当」の金額が変わってくるからです。

介護福祉士や介護支援専門員の免許取得月については免許証に記されています。以下は実際の介護福祉士免許証ですが、ここに登録年月日が載っているので、履歴書にはこの年月日を記載するといいです。

また、介護の実務経験が2年以上ある方の中には自治体や社会福祉協議会などが開催している「認知症介護実践者研修」を終了している人もいます。

認知症介護実践者研修は、認知症ケアについてより専門的な学びを得ることができる研修です。そのため、認知症介護実践者研修を修了しているということは、それだけ認知症ケアにも携わっている実績があるという証明にもなります。

さらに、小規模多機能型居宅介護や認知症対応型共同生活介護(グループホーム)の計画作成担当者や管理者は認知症介護実践者研修を修了した者を配置しなければいけないという定めがあったり、事業所に認知症介護リーダー研修を修了している介護職員が配置されているかどうかによって認知症加算がとれたりというように事業所運営にも関係してくるため転職には有利な資格です。

なお、国家資格や介護に関する免許・資格を証明するために、資格書のコピー(または原本)を面接にもっていくこともありますのでどこに保管しているのか確認しておくといいです。

以下に介護に関する免許・資格をまとめます。
・介護福祉士
・介護支援専門員
・介護職員初任者研修課程(訪問介護員2級養成研修)
・介護職員実務者研修
・認知症介護実践者研修
・認知症介護実践リーダー研修
・認知症介護指導者研修
・福祉用具専門相談員
・喀痰吸引研修
・同行援護従業者養成研修
・レクリエーション介護士
・行動援護従業者養成研修
・移動介護従業者(ガイドヘルパー)
・介護予防運動指導員
・認定介護福祉士
・介護事務

そのほかにも、社会福祉士や精神保健福祉士、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、栄養士などの医療や福祉に関連する国家資格は忘れずに記載しましょう。

また、一見すると介護の仕事には関係がないような資格であっても自己アピールも兼ねて記しておくことをおすすめします。なぜなら、求職者がそれまでに経験してきたことの多くを介護職で生かすことができるからです。

たとえば、調理士やフラワーアレンジメント、書道、折紙講師、カラーコーディネート、フードコーディネーターなどの資格も介護の現場で生かすことができます。

介護職の仕事は、要介護である利用者の身体的介助をおこなうだけではなく、それまでの生活が継続できるように生活全体を意識しながら支援することです。そのため、デイサービスのレクレーションでは利用者さんのそれまでの生活歴から趣味にされていた裁縫や生け花などをおこなうこともあります。

そのほかにも、時には女性の利用者さんにメイクをしたり買い物レクで服を一緒に選んだり、おやつ作りをしたりというように介護の研修では学ばなかったことを必要とされる場面もあります。

このようなことからもわかるように、介護の現場では介護技術だけではなく幅広い知識や経験を持つ人が利用者の生活を支える上で必要です。したがって、介護とは関係ないような資格であっても求人募集をしている事業所にとっては魅力的な資格としてみてもらえることもあるのです。

ぜひ、取得している資格は民間資格も含めて遠慮せずにアピールしていきましょう。

・志望動機や特技の欄には自己PRを書く
履歴書にある「志望動機や特技、好きな学科、アピールポイント」の項目については、志望動機を記入するのが基本になります。特技や長所といっても仕事とまったく関係ない事柄を書いていいわけではありません。

あなたのこれまでの経験や長所を職場でどのように活かせるのかを考えて自己PRすることが大切です。

・本人希望欄
本人希望欄については「正社員を希望する」「貴社の規定に準ずる」などのような、当たり障りのないことを記すのが通常です。希望年収などの処遇に関する内容は記載しない方がよいとされています。

しかし、介護職員として働く人の中にはパート勤務の人も多くいます。パート勤務を希望する人の多くは、子育て中であったり旦那さんの扶養の範囲内でしか働けなかったりというように条件付きの人が多いです。そのような場合には、本人希望欄に年収や労働時間、休日の希望をあらかじめ記しておきましょう。

ただ、実際の求人内容に見合わないような希望はひかえてください。たとえば、勤務時間が8:30~17:30という求人募集に対して「幼稚園のお迎えがあるので15:00までの勤務を希望」などの無理な希望です。そもそも短時間での勤務を希望しているのであれば、その条件に合う求人を探すべきです。

また、「子供の学校行事などで休みがとれるか」など細かい条件面での交渉は履歴書に書くのではなく実際に面接をしたときにするようにしましょう。

求人先にアピールする志望理由・自己PRの書き方
このように常識のある履歴書に仕上げるためのポイントがいくつかありますが、履歴書で最も重要になるのは志望動機・自己PRの項目です。志望動機に「御社の経営理念に共感し……」など、テンプレートのようなことを書いても意味がありません。

そうではなくて、あなたのこれまでの経験を含めて「転職先の企業に対して貢献できるものは何か」「どのようなことをやっていきたいのか」を記載してください。

また、履歴書に記入した自己PRは面接でも尋ねられることになります。そのため、事前にしっかりと志望理由を考えて自分の思いをまとめておかなければいけません。以下に、志望動機の例文、自己PR分の書き方について解説していきます。

応募する事業所の特徴を踏まえた自己PR
北九州市内のデイサービス(通所介護)だけでも200を超える事業所があります。また、介護人材が不足していることもあって求人募集をかけている事業所は多いです。

そのような中で、あなたが応募する事業所を1つに絞った理由があると思います。もちろん、「勤務地が家の近場だった」「給料が希望にあう」という条件的な部分もあるでしょうが、「ここで働いてみたい」と思えるような特徴があったはずです。

たとえば、事業所の規模の大きさや地域との関わり方などにも事業所の特徴が出やすいです。もし、特徴が思い浮かばないならば応募する事業所や法人のホームページを見てみましょう。このような特徴は、事業所自体もアピールポイントにしていることが多くホームページなどで紹介していることがあります。

事業所の特徴を踏まえた志望動機にすることで、「数多くある中から事業所をちゃんとえらんで応募している」ということを伝えることができます。以下は事業所の特徴を踏まえた例文です。

介護の仕事をやってみたいと思い介護職員初任者研修課程の資格を取得しました。未経験ではありますが、人と接することや人を喜ばせることが好きなこともありデイサービスへの就職を望んでいます。

大人数のデイサービスとは異なり、貴社は小規模なデイサービスということもあって利用者様ひとりひとりに寄り添った介護を心掛けていると知り、ぜひ貴社で働きたいと思いました。

このように、求人先の事業所の特徴を踏まえたうえでの履歴書にする必要があります。つまり、求人先を知ることが必須です。

転職するときにこそ気をつけたい自己PR
介護職で長年働いていると、一度は転職を考える人は多いです。転職する理由はさまざまですが、「人間関係」や「経営者や管理者の考えに不満があった」「給与などの待遇面」などが主な理由となっています。

しかし、これらの退職理由を履歴書に書いてしまうと求人先にマイナスの印象を与えてしまうこともあります。そのため、どのような理由で退職をしたのかについては履歴書に合えて記入しないことが大切です。

また、自分自身の中でも転職理由をプラスに変換しておくことが必要になります。

たとえば、経営者や管理者が経営の考え方に不満があって退職したケースであっても、これまでとは異なる事業所に勤務することで「もっといろいろな経験を積むことができる」「自分のスキルアップにつなげることができる」というように転職自体を良い方向に捉えておくことが大切です。そうすることで、おのずと求人先への自己PRも前向きな内容にすることができます。

(例文)
今回、入所施設の中でも認知症ケアを専門としているグループホームで働いてみたいと考え貴事業所を志望いたします。

これまでデイサービスで約5年間介護職として勤務する中で、もっと認知症について深く学んで認知症の人がその人らしく生活できるように支援できる人材になりたいと考えるようになりました。貴事業所は、自身のスキルアップを図るためにも必要な社内研修制度が充実している印象を受けました。

また、少人数の利用者様とじっくりと関わりたいという思いもあり、1ユニットでアットホームな雰囲気の貴事業所で働きたいと思いました。これまでのデイサービスでの経験を活かして利用者様に楽しんでいただけるような企画などができるように貢献していきたいと考えています。

子育て中のママさんが再就職するときの自己PR
最近は男性の介護職員も増えてきましたが、まだまだ女性の多い職業には変わりありません。男性に比べて女性は結婚や出産といった人生の節目で、仕事を退職せざる負えないこともあります。

そういったことから考えると、介護職は一旦「手に職をつける」とブランクがあったとしても再就職しやすい職業です。現に、子育てが落ち着いたママさんがパートとして復職することもあります。しかし、子育て中のママさんは勤務時間や休日などの条件付きであることが多いです。

そこで、志望動機の中に「どのような事業所で働きたいのか」について記しておくとよいでしょう。そうすることで、面接の中でも勤務時間や休日など言い出しにくい条件面の話もしやすくなります。

これまで育児のために仕事を休んでいましたが、このたびパート介護職員として復職したいと考えています。ただ、まだ子供が小さいために「育児・子育て支援に理解のある介護事業所」でのパート介護職員を望んでいます。

貴事業所は育児に理解があると聞いています。さらに、家との距離が非常に近く、子供の送り迎えを含めて柔軟に対応できます。子育て中の職員さんが多いということも魅力に感じています。

日曜日が休みのデイサービスで、子育てしやすい環境であるため長く働かせていただきたいと思っています。

このように、「どのような働き方をしていきたいのか」ということを記しておくことで自分の働き方についての考え方を求人先にも知ってもらうことができます。ただ、時間帯や休日の条件などを細かく書きすぎる印象を悪くしてしまうこともあります。

そのため、細かい内容については面接のときに口頭で伝えるようにしましょう。

履歴書でも人柄をみられている
例文と共に履歴書での志望理由を記してきました。志望理由を具体的にするためにも、転職や就職を希望している事業所のホームページを見るなど調べてみることをおすすめします。

介護職員は人と接する仕事という点からみれば一種のサービス業です。そのため、採用を決める事業所側も介護技術以上にあなたの人柄をみています。もちろん、面接での受け答えも重要ですが履歴書の内容からも人柄をみられているという意識を持っておくことが大切です。

特に、競争率の高い事業所であれば、事業所にとって「あなたを採用するメリット」をアピールする必要があります。そのためには、あなたが目指す介護職像や思いの書かれた履歴書に仕上げましょう。そうすることで、当たり障りのないことしか書かれていない他の履歴書よりも格段に良くなります。

ただし、競争率の高い事業所は離職者も少なく、求人募集を出す機会も少ないのが現状です。求人募集がない期間はハローワークや通常の求人情報誌やサイトではみることができません。また、一般的な求人情報の内容だけでは給与や待遇面を知ることはできても職場の雰囲気までは知り得ることができないのがほとんどです。

しかし、ジョブケアプラスでは求人募集をしていない期間であっても事業所の情報や職場の雰囲気を知ることができます。ぜひ、一度ご覧ください。